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ブログには一次情報を入れた方がいい。
そう聞いても、
「商品を買ってレビューしないといけないのかな」
「アンケートや独自調査なんて、自分にはできない」
「長く仕事はしてきたけれど、ブログに使えるような特別な経験はない」
と感じることはないでしょうか。
私も、靴の販売を10年、その後は飲食の現場で15年働いてきました。
経験年数だけを見れば、ブログに使える話はいくらでもありそうです。
ところが、靴を販売していたのは15年以上前です。
一生懸命思い出して記事にできた接客もありますが、すべての出来事を昨日のことのように覚えているわけではありません。
一方で、
「そういえば、こんな接客をよくしていたな」
と、具体的なお客様との会話までは思い出せなくても、自分が繰り返していた接客のパターンなら残っていることもありました。
一次情報は、特別な調査をしなければ作れないものではありません。
この記事では、あなたがすでに持っている仕事経験から、ブログに使える一次情報を一つ見つける方法を紹介します。
最後まで進めると、自分の経験を整理した「経験の翻訳メモ」を1枚作れるようになります。
仕事経験から一次情報を取り出す4つのステップ

この記事で行うことは、次の4つです。
- 仕事経験を1つ思い出す
- その経験から「自分が何をしていたか」を掘る
- 覚えていることと今の解釈を分ける
- 生成AIに質問役をしてもらい、経験を整理する
最初から立派な体験談を完成させる必要はありません。
まずは、
「そういえば、こんなことをしていたな」
と思える仕事経験を一つ取り出すところから始めます。
ステップ1|仕事経験を1つ思い出す

一次情報とは、自分自身が直接体験したり、観察したり、調査・検証したりして得た情報です。
たとえば、
- 実際に商品を使って分かったこと
- 自分で試して比較した結果
- お客様とのやり取り
- 仕事中に何度も判断してきたこと
- 自分で調べたデータ
などがあります。
Google Search Centralでも、役立つコンテンツを考えるための自己点検項目として、独自の情報・分析があるか、実際の経験に基づく知識が伝わるか、といった点が挙げられています。
ブログで一次情報を作る方法は1つではない

ブログで一次情報を作る方法は、仕事経験を振り返ることだけではありません。
たとえば、次のような方法があります。
| 作り方 | 具体例 |
|---|---|
| 自分の経験から作る | 仕事経験・商品利用・失敗・工夫 |
| 自分で試して作る | 比較・検証・実験 |
| 人から集める | アンケート・取材 |
| 自分のデータから作る | GA4・Search Console・販売記録 |
これから新しく体験したり、調査したりして一次情報を作ることもできます。
一方で、すでに長く仕事をしてきた人なら、新しく何かを始めなくても、これまでの仕事の中に一次情報が残っていることがあります。
この記事では、この中でも「すでに持っている仕事経験から一次情報を見つける方法」に絞って考えていきます。
私が注目したいのは、もっと身近なところです。
あなたが仕事で実際に
- 見て
- 考えて
- 判断
してきたこと。
長く続けた仕事ほど、本人には「いつもの仕事」にしか見えなくなります。
けれど、初めて同じ状況に直面する人にとっては、その判断が役に立つこともある。
昔の仕事経験を探すときは、大きく2つの入口があります。
具体的な場面を覚えている経験

一つは、
「あのとき、こんなお客様がいた」
と場面まで比較的はっきり残っている経験です。
私には、10足ほどのサンダルを前に迷われていたお客様を接客した経験があります。
この接客については、自分の経験を本当にブログ記事にできるのか確かめたくて、当時のことを一つずつ思い出しました。
商品を多く出してしまったことや、その後に候補を減らしたことなど、具体的に思い出せる部分がありました。
ただし、25年間の現場経験をすべて同じように思い出せるわけではありません。
場面は曖昧でも「よくしていたこと」を覚えている経験

具体的な一人のお客様は思い出せなくても、
「自分はこういうとき、よくこんな対応をしていたな」
と残っていることがあります。
靴を販売していた頃、黒以外の靴にも挑戦してみたいお客様には、黒に近いダークブラウンを提案することがありました。
具体的な会話をすべて覚えていなくても、自分がよくしていた対応のパターンなら残っていることがあります。
具体的な一場面が思い出せなくても、
「自分は普段どうしていたか」
と考えることで、経験を見つけやすくなります。
すでにブログに書けそうな仕事経験そのものが見つからない場合は、先に「ブログに書くことがない人へ|仕事経験から記事の材料を見つける方法」で一つ材料を探してみてください。
➡【ブログに書くことがない人へ|仕事経験から記事の材料を見つける方法】
ステップ2|経験から「自分が何をしていたか」を掘る

思い出した経験を、そのままブログに書く必要はありません。
まず、その経験の中で自分が何をしていたのかを掘ります。
場面を覚えているなら「何が起きたか」から掘る

具体的な出来事が残っているなら、次の順番で振り返ります。
- その場で何が起きていた?
- 自分は何を見ていた?
- そのとき何を考えた?
- 相手に何を聞いた・確認した?
- 自分は何をした?
- その後、何が起きた?
ここで、最初から立派な「教訓」を考える必要はありません。
たとえば、お客様が迷っているように見えても、何に迷っているのかは見ただけでは分かりません。
色なのか。
デザインなのか。
ヒールの高さなのか。
履き心地なのか。
販売員側はいくつかの可能性を考えながら、会話を通して確かめます。
つまり、
観察する
→仮説を持つ
→確認する
→判断する
という流れです。
接客中には無意識にしていたとしても、一つずつ分けてみると、自分が何を見て、何を基準に判断していたのかが見つかることがあります。
場面が曖昧なら「普段どうしていたか」から掘る

一人のお客様との会話までは思い出せない場合は、質問を変えます。
「何があった?」
ではなく、
「自分はこういうとき、普段どうしていた?」
と考えます。
たとえばダークブラウンの接客なら、
- 黒以外も気になる人にどう対応していた?
- なぜ明るい茶色から薦めなかった?
- なぜダークブラウンだった?
- 当時、自分はお客様の何を気にしていた?
と振り返ります。
私自身が今振り返ると、
「変えてみたい」と「失敗したくない」の間を埋めるような提案をしていたのではないか
と考えています。
これは、当時「中間提案」という言葉を使って考えていたわけではありません。
今、過去の接客を振り返ったことで言葉にできたことです。
仕事の中に隠れていた考え方を見つける

仕事中には普通だった行動でも、少し離れて見ると、別の場面にも応用できそうな考え方が見つかることがあります。
たとえば、
「在庫がなければ別の商品を提案していた」
だけなら、一つの行動です。
そこから、
「指定された商品がないからといって、そこで接客を終わらせなかった」
と考えられます。
さらに、
「相手が本当に必要としている条件が分かれば、別の商品でも目的を満たせる場合がある」
と捉えることもできます。
こうして振り返ると、自分が仕事で繰り返していた判断の中から、別の人にも応用できそうな考え方が見えてきます。
「ブログなら何に置き換えられるか?」まで考える

次に、その考え方をブログに置き換えます。
ダークブラウンの接客では、
「変えてみたい。でも失敗したくない」
と感じているかもしれない相手に、いきなり大きな変化ではなく、試しやすい選択肢を提案していました。
ブログテーマを決められない初心者にも、
「最初から一つのテーマに決め切る」
か、
「何も決めない」
かの二択だけではありません。
一度方向を仮決めして、記事を書きながら判断材料を増やす方法もあります。
靴を選ぶこととブログテーマを決めることでは、状況は違います。
それでも、
相手が次の一歩を試しやすくなる選択肢を考える
という判断は、ブログにも応用できます。
ここで目的としているのは、すぐに記事タイトルを決めることではありません。
まず、
自分の仕事経験には、どんな判断や考え方が隠れていたのか
を一つ見つけます。
ステップ3|覚えていることと「今の解釈」を分ける

過去の経験を掘っていると、空いている部分を自然に埋めたくなることがあります。
特に昔の仕事ほど、
「きっと、こんな会話だった」
「たぶん、この人はこう思っていた」
と考えてしまいがちです。
ここは分けて残します。
覚えていることは「覚えていること」として残す

たとえば、
10足ほどのサンダルを前に迷っているお客様を接客した。
これは私が今も覚えている経験です。
ただし、すべての細部に記録が残っているわけではありません。
昔の体験を書くときは、現在、自分が覚えていることとして扱います。
写真や当時のメモなど、確認できる記録が残っているなら合わせて確認できます。
なければ、記憶以上の精度に見せる必要はありません。
相手の気持ちは確認していなければ断定しない

お客様がサンダルを決められずにいた。
そこまでは覚えていても、
「履き心地で悩んでいた」
とは限りません。
デザインかもしれない。
色かもしれない。
ヒールの高さかもしれない。
本人に確認していないことは、可能性の一つです。
相手を観察して仮説を持つことと、相手の気持ちを事実として決めつけることは違います。
現在の学びは「今振り返って分かったこと」と分ける

当時の私は、
「お客様の選択支援をしよう」
と頭の中で言葉にして接客していたわけではありません。
経験をブログに置き換えようと振り返る中で、
「自分は、相手が判断しやすい状態を作ろうとしていたのではないか」
と後から気づきました。
このような現在の意味づけにも価値があります。
ただし、
当時考えていたこと
と、
今になって分かったこと
は分けて残します。
当時の体験や観察は一次情報として扱い、そこから今考えたことは、その経験をもとにした自分の分析・解釈として分けておくと整理しやすくなります。
思い出せない部分は無理に埋めなくていい

「質問した内容までは思い出せない」
「お客様が何と言ったかは分からない」
なら、そのままで構いません。
一次情報らしく見せるために、話を完成させる必要はありません。
生成AIを使う場合も同じです。
AIが、
「そのとき、お客様は安心した表情を見せたのでしょう」
と自然な続きを提案しても、自分が覚えていないなら自分の経験には加えません。
AIに体験を作ってもらうのではなく、自分の体験を整理するために使います。
ステップ4|生成AIに質問役をしてもらう

自分だけでは思い出せない部分は、生成AIを質問相手として使えます。
まず、自分が覚えていることを短く書いてから、次のように依頼します。
この経験をもう少し思い出し、当時の判断を整理したいです。
私が書いていない出来事を補完せず、一度に一問ずつ質問してください。
「実際に覚えていること」「当時考えていたこと」「今になって考えたこと」が混ざっていたら指摘してください。
質問をきっかけに、
「そういえば、この場合は先に〇〇を確認していた」
と思い出すこともあります。
思い出せなければ、その項目は空欄のままで構いません。
AIの役割は、あなたの経験を代わりに作ることではありません。
あなた自身の経験を取り出すための質問役です。
また、AIとの会話から、
「これは選択肢を減らす判断だったのでは?」
「失敗への不安を小さくする提案とも考えられそうです」
といった新しい視点が出ることがあります。
役に立つと思ったら、
AIから得た追加視点:
という別の欄に残します。
そうすれば、
- 自分が実際に覚えていること
- 自分が現在考えたこと
- AIとの対話から得た視点
を混ぜずに保存できます。
「経験の翻訳メモ」を1枚作ってみる

ここまでの4ステップを、一枚のメモにまとめます。
全部を埋める必要はありません。
最初は一行だけでも構いません。
経験の翻訳メモ

- 思い出した経験:
- 覚えていること:
- 曖昧・分からないこと:
- 自分がしていたこと:
- なぜそうしていたと思う?:
- 今振り返って学べること:
- ブログなら何に置き換えられそう?:
- AIから得た追加視点:
たとえば、
お客様が迷っていたとき、候補を絞ることが多かった
だけでも出発点になります。
空欄があっても問題ありません。
むしろ、分からない部分を残すことで、自分が覚えている経験と後から考えたことの境界が分かりやすくなります。
10足のサンダルを「経験の翻訳メモ」にするとどうなるか

私が比較的具体的に思い出すことができたのが、10足ほどのサンダルを出した接客です。
この経験は、すでに「選択肢を増やしすぎると、お客様を迷わせることがある」というWeb上の考え方まで翻訳して記事にしています。
➡【「10足のサンダル」が教えてくれたこと。選び放題のWebサイトがお客様を疲れさせる理由】
ここでは、その内容をもう一度説明せず、「経験の翻訳メモ」にするとどう見えるかだけ整理します。
| 経験の翻訳メモ | 内容 |
| 思い出した経験 | 10足ほどのサンダルを前に迷うお客様を接客した |
| 覚えていること | 商品を多く出し、途中で選択肢を減らす対応をした |
| 曖昧・分からないこと | 現在、確信を持って思い出せない細部 |
| 自分がしていたこと | 商品を増やし続けるのではなく、候補を減らした |
| 今振り返って学べること | 選択肢を増やすだけでなく、相手が判断しやすい状態を作ることも接客 |
| ブログなら何に置き換えられるか | 情報を大量に並べるだけでなく、読者が選ぶための基準や順番を示す |
具体的な場面を覚えている経験なら、このように当時の出来事と現在の学びを分けた一枚のメモにできます。
経験の翻訳メモは、Googleドキュメントや普段使っているメモなど、あとから自分で確認できる場所に残しておくと使いやすくなります。
まとめ|仕事経験から「経験の翻訳メモ」を1枚作ってみよう

仕事経験をブログの一次情報として使うとき、昔の出来事をすべて正確に思い出す必要はありません。
今回行ったのは、次の4つです。
- 場面や普段のパターンから、仕事経験を1つ思い出す
- その経験から「自分が何をしていたか」を掘る
- 覚えていることと今の解釈を分ける
- 生成AIに質問役をしてもらい、経験を整理する
具体的な出来事を覚えていなくても、
「自分はこういうとき、普段どうしていたか」
と考えることで見つかる経験もあります。
そして、思い出せない部分は無理に埋めなくて構いません。
今回のゴールは、自分の仕事経験から「経験の翻訳メモ」を1枚作ることです。
ただし、経験の翻訳メモを作っただけでは、まだブログ記事にはなっていません。
次は、メモの中から、
「この経験は、誰のどんな悩みに役立つのか」
を考え、読者に役立つ記事へ変えていきます。
➡【経験をブログ記事にする方法|仕事の経験をSEO記事へ変える5ステップを解説】
まずは今日、
「そういえば、こんなことをしていたな」
と思い出せる仕事経験を一つ、経験の翻訳メモに残してみてください。