「自分には、ネットで発信できるような特別なスキルなんてない」
そう思っていませんか?
しかし、あなたが接客の現場で、目の前のお客様に一生懸命向き合ってきた経験があるなら、あなたはすでに「最強のWeb資産」の種を持っています。
たとえ、それが「売れなかった日」の苦い経験だったとしても、です。
かつての私も、ただの新人販売員でした。
売上を上げたい一心で必死に接客し、それでも「一旦、他も見てきます」と断られるたび、崖の上から突き落とされるようなショックを受けていました。
当時働いていたショッピングモールは、同業種の店が他にも数件あり「他も見てきます」とは、競合する別の店に無条件で売上を献上することを意味します。
新人だった私にとって、それは自分の力不足を突きつけられる、何よりも辛い言葉でした。
しかし、「無理に売ることはできない」。
私に残されたのは、去りゆくお客様の背中に「また、お待ちしています!」と精一杯の笑顔でお見送りをするだけでした。
検品中の背中に届いた「すみません……」の声
数日たった、ある日のこと。
私は大量に入荷した新商品の検品を猛スピードでこなしていました。
・検品
・サンプル出し
・在庫入れ……
これらを早く終わらせないと、新人は接客に立つ時間すら作れないからです。
太ももほどの高さがある段ボールと格闘していると、後ろから声がしました。
「すみません……」
振り向くと、そこには先日「他を見てきます」とお店を後にされたお客様が立っていました。
「あっ、いらっしゃいませ」
と声掛けする間もなく、
「前に試着した靴はまだありますか?もう一度、履いてみたいんです」とお客様。
「はい!お待ちください!」とダッシュで在庫を確認し、試着をお手伝いすると、お客様は鏡を見て「じゃあ、これで」と即決、そのままレジへ。
お釣りをお返ししながら、「他のお店には・・・?」とカウンター越しに伺うと、お客様が一言。
「うーん。他も回ったんですけど、あんまり接客が良くなかったんですよね……。前の接客が良かったから、ここで買いたいと思って」
私は、単純に「そうだったんですね。ありがとうございます!」と共感し、その日は最高の笑顔でお見送り。
「やった!こんなこともあるんだ!」
と、ただ純粋に再会を喜んでいただけで、正直に言えば、そのときの私は深くは考えていませんでした。
しかし、その後も不思議と同じような出来事が重なります。
他のお客様からも「接客、頑張ってくれたから、ここで買うよ」という声を、何度かいただくように・・・。
私は、そのときに初めて「フッと」気がついたのです。
お客様は、単に「モノ」や「価格」を比較しているのではない。
「自分の悩みにどれだけ一生懸命に向き合ってくれたか」という温度を比較し、それを心に刻んでいるのだと。
たとえその場で売れなくても、一生懸命な接客はお客様の心に「基準」として残り続ける。それこそが、私なりの「誠実なアンカリング」だったのだと発見した瞬間でした。
※ここでいうアンカリングは、心理学で定義される数値アンカリングとは異なり、接客現場での体験をもとにした、私なりの捉え方です。
現場の「一生懸命さ」は、Webでもそのまま通用する
今のネットの世界は、クリックをさせるためだけの「煽り」や、どこか冷たい情報の羅列で溢れています。しかし、現代の消費者が求めているのは、その裏側にある「誠実な向き合い方」です。
引用:NEC wisdom
変わりゆく消費者が企業に求める誠実さとは
ビジネスの最前線を伝える「NEC wisdom」の調査データによると、不誠実な体験をした消費者の約9割が、そのブランドのイメージを悪くしたり利用を辞めたりすると回答しています。一度損なわれた信頼を取り戻すことは、それほどまでに困難なのです。
だからこそ、逆の視点で見れば、私たちが現場で大切にしてきた「誠実さ」こそが、Webの世界では何にも代えがたい希少な武器になります。
かつての私が店頭で、売れない悔しさを飲み込んで笑顔でお見送りをした、あの瞬間。 在庫を求めてバックヤードを猛ダッシュした、あの熱量。
こうした泥臭くも誠実な振る舞いは、ブログという形に変えることで、眠っている間も24時間365日、読者を「接客」し続ける資産になります。
あなたがこれまで現場で積み重ねてきた「目の前の一人への一生懸命さ」も、価値は全く同じです。それは、あなたが店頭に立てない時間も、あなたの代わりに誠実さを伝え続ける「もう一人のあなた」として、Web上で大きな力を発揮するはずです。
接客経験をWeb資産に変える3つのステップ
ブログを始めるのに、難しいマーケティング理論はいりません。あなたの「いつもの接客」を画面に置くだけでいいのです。それは、以下の3つのステップです
接客経験をWeb資産に変える3つのステップ
ステップ1:画面の向こうに「お客様」を想像する
PV(アクセス数)という数字の向こうには、かつて目の前で悩んでいたお客様と同じ「生身の人間」がいます。その人に語りかけるだけで、それは立派な記事になります。
ステップ2:一文、一文に「接客の魂」を込める
煽(あお)り言葉で誤魔化す必要はありません。誠実に書かれた一文は、読者がブラウザを閉じた後も、彼らの心の中で「おもてなし」を続けます。それはあなたが店頭に立っていない時も、眠っている夜も、あなたの代わりに誠実さを伝え続ける「もう一人のあなた」になるのです。
ステップ3:魂を込めた文章と数字とを合わせて、改善する
ブログの数字は、あなたの接客が届いたかどうかのバロメーターです。数字を見ながら、さらに誠実な内容へと磨き上げていく。それは、店内のディスプレイを整える感覚に近いかもしれません。
あの日のお見送りが、あなたの財産になる
「自分には何もない」と思わないでください。売れなくて落ち込んだあの日のお見送りさえ、今のあなたにとっては立派な「経験という資産」です。
読者のあなたも、画面越しのお客様に誠実に向き合い、一文、一文を重ねることで「もう一人のあなた」が資産となるブログを作れるはずです。
眠る夜も、あなたに代わって接客し続ける「もう一人のあなた」を、一緒に育ててみませんか?
